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2023/10/21
都心では、新築分譲マンションが高騰し過ぎて中古マンションの需要が増えた結果、中古も価格の高騰が進みました。そのため、新築で買った時より高く売れるケースも増えています。築年数が古くなれば、価値が下がるという「常識」は、今の状況においては、もはや常識でないのかもしれません。
では、中古物件の価格はどのようにして決められているのでしょうか?
その仕組みを知って、自宅を売却する際の「売り出し価格」の適切化に役立ててみてはいかがでしょう。
中古住宅の価格を決める方法は、大きく分けると「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3つがあります。一般的な中古物件の場合、これら3つのうち、主に取引事例比較法を用いて価格が決められています。
①取引事例比較法
対象の中古住宅と条件が近い物件の取引事例を収集し、取引価格(相場)を参考に販売価格を決めます。マンションや戸建ての土地部分の代表的な評価方法です。
収集する取引事例は近隣地域、または同じような需給圏内の地域から選び、対象の物件に応じて「時点修正」と「要因補正」を行います(詳細の説明は後述します)。
②原価法
対象の中古住宅を取り壊したと仮定して、同じ建物を建て直した場合の原価から、築年数に応じた減価修正をして価格を決めます。戸建て住宅の評価は、建物部分については原価法、土地部分については取引事例比較法を主に用いた上で、土地・建物を一体とした評価額を導くことが一般的です。
③収益還元法
「該当の不動産が将来生み出すと予測される利益」をもとに、価格を計算する方法です。賃貸に出した場合の利回り等を考慮して価格を決める方法のため、居住用の中古住宅の価格計算にはほとんど用いられていませんが、事業用の不動産の評価法としては主流です。
取引事例を収集すれば、おおよその相場を把握することができます。
身近な手段に、不動産ポータルサイトの利用があります。売却したい不動産と同等の物件の価格を参考にすることができます。
ただし、載っている価格は「売り出し価格」であって「成約価格」ではありません。売り出し価格とは売主の希望価格、つまり実際に売れた価格ではなく、あくまでも「売りたい価格」です。売り出し価格に対しては、買主が価格交渉を行うのが一般的のため、売り出し価格と成約価格はほとんどの場合一致しません。
しかし、ここで一番知りたいのは成約価格の相場です。そこで活用したいのが「レインズマーケットインフォメーション」。レインズマーケットインフォメーションでは、REINS(全国の不動産の売買状況を網羅したシステム。一般には非公開)の情報の一部が公開されています。成約した物件情報も一部ですが確認できるため、中古住宅の成約価格の相場を知るのに役立ちます。
不動産の価格は、景気や法律の改正などの影響を受けやすいため、過去の取引時からの時間経過による変動を考慮した「時点修正」を行って決定されます。
また、類似物件が少なく希少性がある場合は高く評価され、競合する物件が多ければ値下がりする可能性があるなど、その時の市場状況も加味されます。また、不動産の価格は周辺環境の変化によっても変動します。
例えば「近隣に大型の商業施設ができる」「新しい道路が整備され、交通の便がよくなる」「行政が子育て支援を手厚くした」などの理由で相場が上がることもあります。
売り出す物件そのものが持つ具体的な要因、例えば、駅からの距離や建物や部屋の方位、室内の日当たり、室内の使用状況、築年数、周辺環境などから価格を補正します。
マンションを例に、考慮される代表的な要素は以下の通りです。
・駅や商業施設までの距離/最寄り駅の利便性
・学校や公園までの距離
・マンションの築年数や耐震性能
・マンションの専有面積や間取り
・マンションの階数や向き、陽当たり、眺望
・内装や設備の新しさ、リフォーム状況
・管理会社の実績や管理体制
・駐車場や駐輪場の有無、空き状況
・大規模修繕工事の有無や今後の修繕スケジュール
・管理費・修繕積立金の集金や積立状況
価格がプラスになる要因の代表的なものに、築年数が浅い、角住戸である、眺望が良い、大規模修繕工事によって共有部分の設備が更新済み、などが挙げられます。
売却相場に最も近い価格が分かるのが、不動産会社の査定です。査定方法には明確なルールがなく、不動産会社によって査定結果が異なります。
1社の査定結果だけでは、その査定結果が高いのか安いのか判断できません。相場を知るためには、複数の会社に査定をしてもらいましょう。「不動産査定一括サイト」を利用するのも便利です。
但し、一括査定サイトでは、査定依頼者の気を引くために、到底売れそうにない高値の査定額を提示してくる業者が多いため、注意が必要です。
また、地域情報に精通した不動産会社であれば、周辺環境の変化にも詳しく、その時点・その地域での正しい相場を把握している可能性があります。さらに、そのエリアで物件を探している顧客を多く保有していることも考えられます。そういう意味では、地域の不動産会社に相談するのもよいでしょう。
売出し価格が相場と比べてあまり高すぎると、市場で見向きされない状態となり、売却までに余計な時間がかかり、結局必要以上に値下げしないと売れなくなってしまうこともあります。
一方、売却を急いで価格を低く設定しすぎると、売却後に手元に残る資金が少なくなり後悔することになります。
相場価格と該当物件のプラス・マイナス要因を把握して、任せる不動産会社とよく相談しながら適切な売り出し価格を設定するようにしましょう。